実は、昨年のはじめ、「演奏する心理」と題したセミナーを開催するつもりで、事前に告知して、いろいろと準備を進めていたのですが、そうこうしているうちに、新型コロナウイルス感染拡大という思いもよらない事態になり、緊急事態宣言の発出や、休業要請への対応等で、せっかくのセミナーの計画がお蔵入りに。
でも、このまま、ずっと私の胸のうちにしまっておくよりは、形をかえて世に出して行こうと思い立ち、このほど以下の3本の記事を作成いたしました。
全文を読む場合は有料記事になります。もともと、セミナーの教材として考案したもののエッセンスであり、ここに至るまでに何年もかかって、相当程度試行錯誤を重ねたものをお出ししますので、そのあたりはご理解いただきたいと思います。
もっとも、読まれた方は、「なんだそんなことか、目新しいことでも何でもないじゃないの!」という感覚を持たれるかもしれません。それもそのはずです。なぜなら、大なり小なり誰もが経験していることをとりあげているからです。でも、ここで申し上げたいのは、誰しもが覚えのあることだからこそ、ある意味「分かっているようでいて、実は明確に自覚していない」状態になりやすく、それゆえに問題解決が難しくなっているということなのです。
その誰しもが覚えある話題について、問題点を明確化し、対策の方向性を明確化しようというのが、この3本の記事の趣旨です。
実際に作成したのは、次の3つです。
実は、少しだけ申し上げたいことがあります。
過緊張対策として有効なのは、例えば、「場数を踏む」ことや「深呼吸をする」ことだと思われている方、実は多いのではないでしょうか。あるいは、そうおっしゃるピアノの先生も多いように見受けられますね。もちろん、間違いではありませんし、それなりに科学的に根拠もある有効な方策であることには違いありません。でも、これだけで問題は解決するでしょうか?もちろん、解決する方もいらっしゃるでしょう。でも、解決できない方も多いのではないかな、というのが正直なところです。
なぜなら、何が問題か、何が原因か、それに対してどう対処するのがよいのか、そういった議論を抜きにして、一足飛びに「対処療法」に依拠しようとしている点が問題なのです。医療等の現場でもよくあることですが、原因は特定できなくても「対処療法」で何とかなることは多いです。ですから、効果がないとは申しません。
そうではなくて、もう少し根本的なところを見据え、また実のあるトレーニングの方向性を見出そうというところをご理解いただけると嬉しく思います。
あともう一点、最後まで読んでいただければ、ここで提唱するトレーニングの方向性が、単に過緊張対策としてだけ有効なものではなく、最終的に演奏スキルの向上に資するものにもなる可能性が高いこともお分かりいただけるのではないかと思います。
この記事が、助けを必要としている方のお役に立てることを心から願っています。